【解決事例:相続】調整役として関与し、遺産分割協議成立に至った事例

2021年12月13日更新

「意見調整型遺産分割」に関する解決事例を紹介します。

意見調整型遺産分割とは、弁護士が中立的な立場で相続人の方々を仲介することです。それぞれの相続人の意見を調整したり、弁護士の立場から助言したりすることで、全相続人にとって公平で妥当性のある遺産分割協議の成立を目指します。

詳しくは以下のページをご覧ください。
意見調整型遺産分割・相続手続代行とは

では、ご依頼人Xさんの事例をみていきましょう。

【状況】

ご依頼人Xさんの叔母(Aさん)が亡くなりました。Aさんに配偶者と子はいません。法定相続人は、Aさんの兄弟姉妹の子5名です。ご依頼人のXさんから見ると、ほかの4名は従兄弟(いとこ)にあたります。

この5名は、親交が深いわけでありませんでした。交流がない人もいれば、従兄弟の親同士が不仲だったところもあります。相続に関する連絡を取りづらい状態だったため、弁護士へ相談するに至りました。

~ポイント~
・亡くなったのはご依頼人Xさんの叔母(Aさん)
・法定相続人はAさんの兄弟姉妹の子5名
・従兄弟同士の交流は浅く連絡が取りにくい

【弁護士への依頼内容】

弁護士には従兄弟同士の調整役として関与してもらい、適切な内容の遺産分割を実現してほしい、という依頼内容でした
相続遺産は約1億5,000万円あり、相続税が発生する見込みがあるため、相続税に関する手続きもお願いしたいとのこと。ただし費用はなるべく抑えたいという希望がありました。

【経過と結果】

このご依頼に対して、まずは意見調整型遺産分割の形で受任し、以下の流れで相続手続きを進めました。

➀被相続人の準確定申告と相続人調査
➁遺産調査とカンファレンスの実施
➂遺産分割協議の成立
➃相続税の申告

➀被相続人の準確定申告と相続人調査
期限が間近に迫っていた被相続人の準確定申告を行いました。ちなみに準確定申告とは、納税者が死亡した際、本人の代わりに相続人が行う確定申告のことです。
それと平行して相続人調査をし、法定相続人に誤りがないことを確定させました。

➁遺産調査とカンファレンスの実施
続いて遺産調査を行い、遺産目録を作成しました。また、預貯金等については、払戻(換価)をしました。
そしてカンファレンス(協議)を実施し、相続人間での情報共有を行い、分割方法について話し合いました。
その結果、不動産は相続人のうち3名のみが引き継ぎ、その他の2名は金銭のみを取得する方法を取ることになりました。

➂遺産分割協議の成立
本件で最も難航したのが、分配する金銭額の調整です。
弁護士として、「法律的にどうなるか=相続人間の衡平」をベースにしつつ、相続人間で合意可能な水準を慎重に探りました。
相続人の皆様と意見交換を続けた結果、合意できる案を見つけることができ、無事に遺産分割協議を成立させることが出来ました。

➃相続税の申告
最後に、相続税申告も行いました。遺産目録の作成時から、相続税申告を見据えていたので、速やかに申告書を作成でき、無事に期限内に申告を行えました。

【コメント】

意見調整型遺産分割を行う典型的なケースのひとつとして、「おじ・おばが死亡し、いとこ同士が相続人」というものがあります。
これが「典型的」な理由は、法定相続人が複数いるにもかかわらず、その相続人間の関係が希薄で、遺産分割協議を進めることが難しいことが少なくないためです。
本件はまさにそのケースでしたが、いとこの親同士の関係があまりよくなかったという背景のある事案でした。相続人がお互いに連絡することさえ憚られるという状況だったため、相続人の1人であるXさんが当事務所に相談にいらっしゃいました。

受任後の経過・結果は上記のとおりです。結果的に、遺産分割協議を成立させることができました。調整型遺産分割を受任する際、はじめに相続人の皆様に対して、以下のことを十分にご理解いただきます。
「これは意見調整を行うものであり、分割協議の成立に向けた話し合いを行うこと=むやみに紛争化させないようにすること」

そのことが最後に活きて、相続人の方々の「互譲」が生まれたと感じるケースでした。また、本件では、準確定申告および相続税申告の依頼も受けました。当事務所は相続に関する手続をワンストップで受任し、工数を削減できるため、総額料金を抑えることができます(※税務申告における弁護士案件割引)。
「費用をなるべく抑えたい」という当初の希望どおり、相続人の皆様の負担も少なくすることができ、ご満足いただけました。同種のケースでお悩みの方は少なくないと思われますので、参考にご紹介いたします。

【解決事例:相続】侵害された遺留分に対する価格弁償として相当額を受け取り解決に至った事例

2021年2月10日更新

遺留分侵害額請求に関する解決事例の紹介です。
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※遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)とは
被相続人が特定の相続人にだけ遺言で遺産を譲るなど、不平等な生前贈与・遺言がされた場合に、他の法定相続人が、法律上認められた一定の財産額(遺留分)の支払いを請求できる権利です。

遺留分侵害額請求


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【依頼内容】
Xさんは、遺言で不平等に多くの遺贈を受けたYさん(兄)に、話し合いの機会を求めました。しかし、Yさんはそれを無視し、全く話し合いに応じてくれませんでした。そこで、遺留分侵害額請求をしようと、当事務所に相談に来られました。
Xさんから以下のご相談をうけました。
①遺産の詳細が不明。
②自分の遺留分がどのくらいになるのかわからない。
③Yさんは土地と建物の移転登記手続きを済ませてしまったが、問題はないか。

【経過と結果】
土地・家屋の価格と預貯金の総額を調査し、遺産の詳細を確定させました。
それを元に、遺留分侵害額請求額がいくらなのか、確定させました。
不動産の所有権移転登記手続が完了していても、遺留分侵害額請求は問題なく行えます。
そこで、まずは、Yさんへ、内容証明郵便を送付して支払いを求めましたが、これも無視されました。
次に、速やかに、遺留分侵害額請求調停を申し立てました。すると、Yさんも調停期日に出席し、調停委員からの説得があり、当方の請求する遺留分満額の支払いを認め、無事調停が成立しました。

【コメント】
Xさんは実の兄と裁判はしたくないと大変悩まれていました。しかし、最終的には、全て無視を決め込む態度が変わらないのをみて、決心されました。
十分な客観的資料を収集できたため、新型コロナウイルス感染拡大の影響もありましたが、相談から調停成立まで約10ヶ月と、迅速な解決に至ることができた事例ですのでご紹介いたします。

【解決事例:遺産分割】遺産分割調停にて、相手方に特別受益を認めさせ、それを前提に換価分割を行い、円満解決に至った事例

2021年1月10日更新

【依頼内容】
弟さんとの遺産分割協議が暗礁に乗り上げてしまった。

 
被相続人は遠方に住んでおり、土地と居住用建物、賃貸用建物(併せて8000万)を有していた。(その他に預金と生命保険が少々あった。)自分で取引履歴を取り寄せたところ、弟には被相続人からの3000万円の生前贈与があることがわかった。
そのため、自分が不動産を取得しようと思ったのだが、弟はあくまで法定相続分での分割、なおかつ代償金を払ってでも不動産を取得したいという。これ以上話しても埒が明かないので、ご相談に来ていただいた。

【解決方法】
すぐさま遺産分割調停を申し立てた。分割方法については、打ち合わせを重ねてご自身の要望を整理し、換価分割(不動産を売却して、売却益を分ける方法)とすることを提案。

 
弟さんも、調停委員を通じて、特別受益の証拠を示し、その法的な意味を説明してもらったところ、それを認め、換価分割にも応じることになった。
売却にあたっては、ご依頼者様に様々に動いて頂き、またタイミングもよく、相応の値段で売却することができた。
売却代金等の管理は私が行い、合意しておいた計算式に基づいて分配し(この設例ではご依頼者様:5500万円、弟さん:2500万円)、最後の期日で遺産分割が完了したことを確認して、無事終了した。
兄弟で協力して換価が出来たことで、互いへの不信感も拭え、仲も改善し、縁を切るようなことにはならなかった。

【相続】記事一覧

2020年4月8日更新

相続カテゴリ 記事一覧

第1 相続紛争概論

1.相続とは何か。
2.相続紛争6類型
3.相続紛争の予防と解決

第2 遺言と財産管理

1.相続紛争予防2つの対策
2.遺言の作り方
(1)遺言の種類
(2)遺言作成時の3つの視点
(3)分け方を考える
(4)相続税の試算
(5)納税資金の手当
(6)遺言執行者
(7)遺留分減殺請求の基本
3.戦略的な生前贈与

第3 遺産分割

1.紛争化せずに合意へ至るには
2.紛争化してしまったら
3.遺産分割の基本:段階的進行モデル

第4 その他

相続でお悩みの方は迷わず当事務所へ相談してほしい、その理由

初回投稿日2018年12月14日


相続でお悩みの方は迷わず当事務所へ相談してほしい、その理由

更新

はじめに

 タイトルのとおり、私は、相続でお悩みの方は、迷わず、一度、試しに、当事務所へ相談して頂きたいと常々思っています。
 その理由は、一言でいえば、「相続の悩み全てに応えられ、かつ費用が適正水準なのは、当事務所以外にはない」と思っているからです。
 「とんだ自信家」「よくもまぁそんな宣伝文句を自分の口から言えるな」と思ったあなた。私もそう感じなくもないです(笑)。
 でも、理由はあるんです。ここではそれをまとめてみました。過信や宣伝文句かどうか、皆様でご判断ください。

相続の悩み⑴

 相続の悩みというのは、大きく分けると以下の3つです。

手続

 まず「何をすればいいのかわからない」、そして一生懸命調べてわかったとしても「様々な窓口があるので大変」という印象をもたれる方が多いです。

相続税

 相続税がかかる場合、ご自身で申告されるという方もいらっしゃいますが、かなり難しいと思います。税理士などへ依頼される方が少なくないのもそれが理由でしょう。

分割協議

 相続人間での協議を進めづらい、意見が分かれてしまった、連絡がとれないなどです。

相続の悩み⑵

 上記の3つに拍車をかけるのが「誰に相談すればいいのかわからない」という問題です。弁護士、税理士、司法書士、行政書士など、相続を取り扱うという専門家は大変多いです。(なかには「コンサルタント」を名乗る方もいますが、そのような国家資格はありません。)
 また、「弁護士/専門家に頼んだら高そう」という費用面の心配をされる方もいらっしゃいます。

ではどうすればいいのか?

 相続には3つの悩みがある。では誰に相談したらいいのか。
 下の表は、各士業が3つの悩みに対応できるかをまとめた表です。
 ご覧頂ければわかるとおり、弁護士であれば、3つの悩み全てに対応可能です。

弁護士 税理士 司法書士 行政書士
手 続
相続税 〇※ × ×
分割協議 × × ×

※各国税局への通知が必要。
 但し、にもかかわらず、そのような幅広い対応をする弁護士はあまりいません。
 特に、税理士業務も行えるよう、きちんと税務を勉強して業務を行っている弁護士はかなり少ないと思います。
 私には、なぜなのかはわかりません。
 弁護士の仕事は他の士業にはできない分割協議の代理をすること、という自負のもと、それ以外の仕事をやらないというスタンスの方が多いのかもしれません。

本当の「相続の専門家」=手続、相続税、分割協議、全ての悩みに応えられる人

 私はそれでは不十分だと考えています。
 私自身は「Client First」をモットーに、クライアントの「安心」を提供するのが仕事だと思っていますので、相続案件で手続の細かい説明はできないとか、相続税のことは全く答えないということでは、クライアントが安心出来ないと思うからです。
 つまり、手続、相続税、分割協議、それぞれの専門家ではなく、それらが全てこなせる本当の意味での「相続の専門家」が必要だと考えています。
 そしてそれができるのは、「相続税申告のできる弁護士」しかいません。

だからまずは当事務所へ相談してほしい

 当事務所には、その意味で、本当の「相続の専門家」がいます。
 だからこそ、まず最初に、当事務所へ相談してほしいのです。
 きっとあなたに必要なことが見つかると思います。

費用が心配

 とはいえ、「弁護士は高い」と思われがちです。
 当事務所は、その場で契約する必要はありません。(多くの方が持ち帰って比較されます。)
 ご依頼時には契約書を作成します。
 案件に応じた費用の目安は遺産相続のページをご覧ください。

依頼者の方の声

 依頼者の方からは、次のような声を頂いております。

  • 「親が亡くなって途方に暮れていたので任せられて安心した。」
  • 「説明がわかりやすかったので納得して協議書に判を押せた。」
  • 「カンファレンスを開いてもらったのは非常によかった。」
  • 「相談したことで見通しがたった。自分で出来そうなこと、依頼の必要がないことがわかって安心した。」

是非一度、お気軽にお問い合わせくださいませ。

弁護士 日向寺 司

1.相続とは何か。

2018年12月14日更新

 相続とは、法律的に、簡単にいえば、亡くなった方の財産(権利義務)を、誰かが引き継ぐことです。
 
 引き継ぎ方の決め方には2つしかありません。遺言と遺産分割です。亡くなった方が決めていた場合を遺言、ご遺族が決める場合を遺産分割としています。 いずれでも、①対象財産=亡くなった方の財産=遺産が何か、と、②引き継ぐ方=相続人/受遺者が誰かが、最も基本的な要素となります。
 注意したいのは、遺産分割には、構造的に紛争が潜在していることです。というのも、相続人らが、遺産という限られたパイを分け合うという構造を有するからです。「自分の得は他人の損、他人の得は自分の損」というなかでは、相続人間のちょっとしたズレが紛争の原因になってしまうのです。

 ここでは、「争族」などと呼ばれる相続紛争を予防するにはどうすればよいか、紛争化してしまったらどうやって法的に解決していくのか、お話していきます。
 その前に、相続紛争の類型を整理するところから始めましょう。


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2.相続紛争6類型

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 相続紛争の類型を整理してみます。
 まず、揉めやすいのは遺言がない場合です。この場合は、概ね5つの類型に分けられます。

  • ①遺産の分け方が決まらない
  • ②遺産の範囲について合意できない
  • ③使途不明金があり合意に至らない
  • ④寄与分(生前の介護等)
  • ⑤特別受益(生前贈与等)

 次に、遺言がある場合は、遺留分減殺請求がなされることがあります。 だいたい以上が主なところではないかと思いますし、対策を考える準備としては十分です。
 次は、相続紛争の予防と解決の全体像を把握しましょう。


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3.相続紛争の予防と解決

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 相続紛争の類型ごとにその対応策を整理します。

  • ①遺産の分け方が決まらない場合 →適切な遺言を作成すれば分け方で揉めることはなくなります。
  • ②遺産の範囲について合意できない →遺言や生前の財産管理において、漏れのない財産目録(財産リスト)を作って遺しておくことで対応できます。
  • ③使途不明金があり合意に至らない →適切な生前の財産管理により対応できます。
  • ④寄与分(生前の介護等) →遺言を作成すれば対応できます。
  • ⑤特別受益(生前贈与等) →適切な生前の財産管理により、リスクを下げられます。

 以上のように、適切な遺言と、適切な生前の財産管理の2つがなされていれば、相続紛争は未然に防げます。 紛争化した場合は、協議や調停、それでもだめなら訴訟・審判で解決せざるを得なくなります。得てして、中途半端な対策の結果、紛争が長期化することも少なくありません。 適切な、十分な対策を行うことが必要です。


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1.相続紛争予防2つの対策

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 前述したように、相続紛争を予防するには、①適切な遺言書を作成する、②適切な生前の財産管理をするの2つの対策を行う必要があります。ここでは、それぞれの実行にあたっての基本をご紹介いたします。


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(1)遺言の種類

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 法的に有効な遺言を作成するには、民法の定めに従った方式に基づく必要があります。(講学上、方式を要する法律行為ということで、要式行為といいます。)

 遺言の方式は、大きく分けて普通方式と特別方式の2種類があります。 普通方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つの方式があります。 特別方式は、死期が急に迫っている場合など特殊な状況下にある場合に例外的に作成される方法であり、通常は普通方式が用いられます。 (とはいうものの、特別方式の中でも、死期が急に迫っている場合に用いられるいわゆる危急時遺言は、比較的用いられる方式です。)

2 自筆証書遺言

 自筆証書遺言は、遺言をする方が自分で、その内容、日付、署名全てを自筆で書き、押印して作成します(民法968条)。

注意点
①全文自書が必要です。代筆やパソコン・ワープロ等によるものは無効となります。但し、今年(2018年)成立の改正民法により、財産目録はワープロ作成でもよい等、要式性の緩和がなされました。 ②押印は、偽造防止のため、実印を用いるのが好ましいです。もっとも、裁判例では、認印でも、拇印でも有効とされています。 ③遺言の書き間違いや文言追加など加除訂正するには、注意が必要です。変更した場所を指示・特定し、変更した旨を付記して署名し、かつ、変更した場所に押印しなければなりません。 ④偽造防止のため、封筒に入れて、封をしたほうがよいです。検認手続でも開封されていないかどうかが確認されます。

自筆証書遺言のメリット

  • ①一人で、費用をかけず、今すぐに作成できる
  • ②遺言の存在及びその内容を秘密にできる

自筆証書遺言のデメリット

  • ①偽造・変造・隠匿の危険性がある
  • ②一人で作成するため、方式不備・内容不備で無効とされる可能性がある
  • ③発見されない可能性がある ④家庭裁判所での検認手続が必要

3 公正証書遺言

 公正証書遺言は、公証役場で作成される遺言です(民法969条参照)。 公証役場には、公証人という役職の方がおり、「公に証明する」様々な業務を行っています。
 その業務の一つに、遺言公正証書の作成があります。 遺言をされる方は、公証人に、遺言の内容を相談することもできます。 通常、事前に公証人と遺言作成について打合せを行い、公証人が遺言書の案を作成しておいた上で、作成手続にあたります。証人がいない場合は、公証人が手配してくれることもあります。
 公証人に公正証書遺言の作成を依頼する際には、手数料の算定や相続人・遺産の特定等のため、事前に提出すべき書類があります。(遺言者の印鑑証明書、遺産目録、不動産の登記事項証明書簿謄本や評価証明書、相続人・受遺者の戸籍謄本・住民票等)

公正証書遺言のメリット

  • ①公証人が作成に関与するため、方式や内容の不備がほぼない
  • ②原本が公証役場で保存されるので偽造や滅失のおそれがない
  • ③検認手続が不要 デメリット 作成に手間と費用がかかる

 コストはかかりますが、確実な方法であるため、最もおすすめの方法です。

4 秘密証書遺言

 秘密証書遺言は、遺言者が作成した遺言に封を施し、遺言書が封入されていることを公証人役場で公証してもらう方法により作成します(民法970条)。つまり、遺言の内容は秘密のまま、遺言の存在のみを公証人に証明してもらうことになります。 公証役場に保管はされません。

秘密証書遺言のメリット

  • 遺言の内容を秘密にでき、偽造・変造などが防げる

秘密証書遺言のデメリット

  • ①方式不備・内容不備のおそれがある
  • ②作成に手間と費用がかかる
  • ③原本が公証役場に保管されないので紛失のおそれがある
  • ④検認手続が必要

 内容を秘密にするためには、例えば、弁護士に相談して、作成したら弁護士に預けるという方法もあり、必ずしもこの方式を取らなければならないわけでもありません。 そのためか、メリットに比べて、デメリットが大きいため、あまり用いられていないように思います。

5 特別方式の遺言

 特別方式には次の4つの方式があります。

  • ①一般危急時遺言(疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言する場合)
  • ②難船危急時遺言(船舶遭難の場合において、船舶中にあって死亡の危急に迫った者が遺言する場合)
  • ③一般隔絶地遺言(伝染病で隔離された者が遺言する場合)
  • ④船舶隔絶地遺言(船舶中にあるも者が遺言する場合)


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