相続で弁護士と司法書士、どっちに頼む?費用・違い・ケース別の選び方を解説

相続が発生すると、「弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか」で悩む方は少なくありません。

相続登記・遺産分割・相続放棄・税務申告など、相続手続きは種類が多く、専門家によって対応できる範囲が異なるため、初めての方にとっては判断が難しいものです。

しかし、それぞれの業務範囲や費用相場、向いているケースを理解しておけば、自分に最適な相談先をスムーズに選べるようになります。

本記事では、

  • 弁護士と司法書士の違い
  • 税理士・行政書士との役割比較
  • ケース別の最適な相談先

をわかりやすく解説します。

また、相続手続きをワンストップでサポートできる虎ノ門法律経済事務所上野支店についても紹介します。

この記事はこんな方におすすめです。

  • 相続で「弁護士と司法書士どっち?」と迷っている
  • 相続登記や相続放棄など、必要な手続きがよくわからない
  • 相続人同士の意見が合わず、トラブルが心配
  • 費用相場や依頼のメリットを知りたい
  • 相続を安心して任せられる相談先を探している
目次

相続で「弁護士と司法書士どっち?」と迷う人が多い理由

相続が発生すると、多くの方がまず悩むのが「誰に相談すればいいのか」という点です。弁護士、司法書士、税理士、行政書士など、相続に関わる専門家は複数存在し、それぞれ得意分野が異なります。そのため、「自分のケースはどこに相談するのが正解なのか」分かりにくく、迷ってしまう方が少なくありません。

相続における悩みは、大きく「手続き」「相続税」「分割協議(話し合い)」の3つです。

  • 不動産の名義変更である相続登記は司法書士の専門領域
  • 相続税の申告は税理士の業務、
  • 相続人間の話し合いやトラブル解決は弁護士

というように、担当できる士業がはっきり分かれています。だからこそ自分のケースではどの専門家の領域なのか分かりづらく、どの専門家に相談すべきか迷いやすいのです。

さらに、2024年4月からは相続登記の義務化が施行され、相続開始から3年以内に登記を完了しなければ過料の対象となるなど、ルールも厳しくなりました。期限や法的な要件が複雑になる中で、個人の判断だけで手続きを進めるのは、ますます難しくなってきています。

本記事では、弁護士と司法書士を中心に、費用相場や対応範囲の違い、そしてケース別の選び方を整理し、相続トラブルを避けるための判断軸を提示します。専門家選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

弁護士と司法書士の違いをわかりやすく解説

弁護士と司法書士の一番大きな違いは、法律上認められている権限と対応できる業務の範囲です。

弁護士ができること

弁護士は、相続に関するあらゆる法的問題に対応できる専門家です。

具体的には、

  • 相続人間の遺産分割協議における代理交渉
  • 家庭裁判所での調停や審判の代理
  • 訴訟対応 など

紛争の有無にかかわらず、法的問題の解決を一貫して担うことができます。相続人の代理人として他の相続人と交渉したり、裁判所に出廷したりすることができるのは弁護士だけです。

また、弁護士は相続財産の評価や遺留分侵害額の計算、使途不明金の調査など、複雑な法的判断を要する業務も担当できます。相続税や財産評価について理解がある弁護士であれば、手続き・税務・協議の流れを全体的に把握した上で、総合的にアドバイスすることもできます。

司法書士ができること

司法書士は、登記の専門家です。

主な業務は、

  • 不動産の相続登記
  • 遺言書の作成支援
  • 相続放棄の申述書類作成
  • 法務局や家庭裁判所への書類提出をサポート

など、書類作成や形式的な手続きの代行が中心です。

認定司法書士の資格を持つ場合は、簡易裁判所での訴訟代理権が認められていますが、家庭裁判所での調停や審判の代理はできません。また、相続人の代理人として他の相続人と交渉することもできないため、意見の対立や複雑な協議が必要な場合には対応範囲が限られます。

初期段階から弁護士に相談する方が効率的な理由

相続問題は、登記や書類作成といった手続きだけで完結するケースは多くありません。

実際には、

  • 相続人間の意見調整
  • 財産の評価をめぐる判断
  • 将来のトラブルを見据えた分割方法の検討

など、法的判断や利害調整が必要となる場面が必ず生じます。司法書士に依頼して手続きを進めている途中で意見の対立が生じた場合、改めて弁護士に依頼し直す必要が出てきます。そうなると、二度手間となり、費用も時間も余計にかかってしまいます。

相続が発生した初期段階から弁護士に相談することで、手続きの進め方や法的リスクを事前に把握し、トラブルを未然に防ぐことができます。

特に、

  • 相続財産の内容が複雑な場合
  • 相続人が多い場合
  • 過去に家族間でトラブルがあった場合

といったケースでは、早めに弁護士へ相談しておくことをおすすめします。

費用の違い|弁護士と司法書士の費用相場を比較

相続に関する依頼を検討する際、多くの方が気にするのが「費用面」です。

弁護士と司法書士では報酬体系が異なるため、それぞれの相場を理解した上で、自分のケースに合った専門家を選ぶことが重要です。

相続登記の費用相場

相続登記は不動産の名義変更手続きであり、司法書士の得意分野です。司法書士に依頼した場合の報酬相場は5万円から15万円程度で、これに登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)や戸籍謄本等の実費が加算されます。

弁護士でも相続登記に対応できますが、登記を専門としている弁護士は多くありません。費用は司法書士と同程度か、やや高めに設定されていることが一般的です。

相続放棄の費用相場

相続放棄の申述書類作成を司法書士に依頼する場合、報酬相場は3万円から10万円程度です。弁護士に依頼した場合は5万円から20万円程度が相場となります。

ただし、

  • 複数の相続人が同時に放棄する場合
  • 期限が迫っている場合
  • 債権者からの請求が既に来ている

などの場合は、弁護士に依頼することで、家庭裁判所への申述から債権者への対応まで一括してサポートを受けられるメリットがあります。

遺産分割協議書作成の費用相場

相続人全員の合意が既に得られており、その内容を書面化するだけであれば、司法書士への依頼で5万円から10万円程度が相場です。

一方、弁護士に遺産分割協議書作成を依頼する場合、単純な書面作成だけであれば10万円から20万円程度ですが、協議の段階から代理人として交渉に入る場合は、遺産総額に応じた報酬体系(経済的利益の10%から20%程度)となることが一般的です。

相談料の相場

司法書士の初回相談料は無料から5,000円程度が一般的です。弁護士の場合は30分5,000円から1万円程度が相場ですが、初回相談無料の法律事務所も増えています。

安さよりも「どこまで任せられるか」がポイント

弁護士費用は司法書士よりも高めに感じられるかもしれません。しかし、司法書士に依頼した後で協議が難航し、弁護士に依頼し直すとなれば時間も費用も余計にかかってしまいます。

初期段階から弁護士に依頼することで、代理交渉や調停対応まで一括で任せることができ、途中で専門家を変更する必要がなくなります。

自分のケースでは「どこまでの対応が必要になりそうか」を見極め、最初から適切な専門家に依頼する方が、最終的には最も経済的です。

相続の費用について詳しくは、関連記事「相続・遺産分割の弁護士費用はいくら?|協議や調停を依頼した際の相場を紹介」もご参照ください。

他の専門家との違いも整理|税理士・行政書士の役割

相続に関わる専門家は弁護士と司法書士だけではありません。税理士や行政書士も、それぞれ異なる役割を担っており、全体像を把握しておくことが大切です。

税理士の役割

税理士は相続税申告の専門家です。

  • 相続財産の評価
  • 相続税額の計算
  • 税務署への申告書提出
  • 節税対策の提案

などを担当します。

相続税の申告が必要となるのは、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合です。

申告期限は相続開始から10か月以内で、期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があります。特に不動産や非上場株式など、評価が難しい財産がある場合は、早めに税理士へ相談することが重要です。

行政書士の役割

行政書士は、

  • 遺言書の作成支援
  • 戸籍謄本等の収集代行
  • 相続関係説明図の作成

など、比較的軽微な事務処理を担当します。相続人間の合意が既に得られており、紛争性がなく、登記も不要なケースであれば、選択肢となります。

ただし、行政書士は登記申請の代理や法的紛争への対応はできないため、不動産がある場合や意見の対立がある場合には、司法書士や弁護士への依頼が必要です。

連携によるワンストップサービスの重要性

相続をスムーズに進めるには、弁護士・司法書士・税理士が連携し、法務・登記・税務を一体で考えることが重要です。例えば、遺産分割の方法によっては相続税額が大きく変わることもあるため、分割協議の段階から税務面を踏まえて提案できる体制は大きなメリットになります。

虎ノ門法律経済事務所上野支店では、弁護士・司法書士・税理士が連携し、相続登記から遺産分割協議、相続税申告までをワンストップでサポートしています。複数の専門家に別々に依頼する必要がなく、手間やコミュニケーションコストを減らしながら、一貫した方針のもとで効率的に相続手続きを進めることができます。

ケース別に見るおすすめ相談先

自分のケースではどの専門家に相談すべきか、状況ごとに見ていきましょう。

相続登記を依頼したい場合

不動産の名義変更である相続登記は、司法書士の専門分野です。

2024年4月から相続登記が義務化され、相続開始を知った日から3年以内に登記を完了しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。早めの着手が必要なので、登記手続きが中心となる場合は、登記業務に精通した司法書士への依頼が効率的です。

ただし、次のような場合は注意が必要です。

  • 相続人が多数いる場合
  • 相続人間で不動産の分け方について意見が分かれている場合
  • 相続人の一部と連絡が取れない場合

このようなケースは、登記の前提として遺産分割協議を整える必要があるため、司法書士だけでは対応が難しくなることがあります。その場合は、弁護士に依頼することで、協議の進行から登記まで一貫してサポートを受けられるという大きなメリットがあります。

虎ノ門法律経済事務所上野支店では、相続登記の経験も豊富な弁護士が在籍しており、登記からトラブル対応までワンストップで対応可能です。相続人間の調整が必要なケースでも、安心してお任せいただけます。

相続放棄を検討している場合

相続放棄は、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければならないという厳格な期限があります。この期限を過ぎると、法定単純承認(すべての財産と借金を相続したもの)とみなされてしまう可能性があります。

相続放棄を検討する場面としては、

  • 被相続人に多額の借金がある場合
  • 相続人が多数いて全員の意思確認に時間がかかる場合
  • 既に3か月の期限が迫っている場合

といったケースが一般的です。このような場合は、弁護士への依頼が適しています。弁護士であれば、期限延長の申立てや、債権者からの請求への対応まで一括してサポートできます。

一方、比較的シンプルなケースで、期限にも余裕がある場合は、司法書士への依頼も選択肢となります。

ただし、

  • 債権者から既に請求が来ている
  • 相続財産の調査が必要

といった場合は、交渉代理ができる弁護士への依頼が安心です。

遺産分割協議や相続トラブルがある場合

次のような感情的な対立を伴うケースでは、弁護士への相談が必須です。

  • 相続人間で意見が対立している場合
  • 遺留分侵害額請求を受けている場合
  • 使途不明金の問題がある場合 など

司法書士は遺産分割協議書の作成までは対応できますが、相続人の代理人として他の相続人と交渉することはできません。そのため、話し合いが難航している状態で司法書士に依頼しても、結局は弁護士への依頼が必要となり、余計な時間と費用がかかってしまいます。

弁護士であれば、依頼者の代理人として他の相続人と交渉し、合意形成を図ることができます。話し合いでの解決が難しい場合は、家庭裁判所での調停や審判にも対応できるため、最終的な解決まで一貫してサポートを受けられます。

虎ノ門法律経済事務所上野支店では、相続案件の豊富な実績を持つ弁護士が、遺産分割協議の代理交渉から調停・審判・訴訟まで、一貫して対応しています。早期に弁護士が介入することで、感情的な対立の激化を防ぎ、円満な解決へ導くことが可能です。

詳しくは、関連記事「相続でお悩みの方は迷わず当事務所へ相談してほしい、その理由」もご覧ください。

当事務所は登記も対応いたします

「弁護士に相談したいけれど、登記は司法書士に別途依頼しなければならないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、虎ノ門法律経済事務所上野支店では、弁護士として相続トラブルに対応するだけでなく、相続登記にも対応しております。

弁護士に依頼するメリット

弁護士は、

  • 相続人間の代理交渉
  • 家庭裁判所での調停・審判の代理
  • 訴訟対応
  • トラブルの予防・早期解決に向けた助言

など、相続に関する法的紛争の解決を一貫して担うことができます。遺産分割協議が難航しそうな気配がある段階から弁護士に依頼することで、トラブルの芽を早期に発見し、法的リスクを最小限に抑えることができます。

また、当事務所には税理士資格を持つ弁護士も在籍しており、遺産の分け方について税務面も考慮した提案ができます。相続税の特例適用の可否や、二次相続まで見据えた分割方法など、税務知識を備えた弁護士だからこそ総合的なアドバイスが可能です。

書類作成を中心とする司法書士では対応できない「紛争予防」と「代理交渉」が、弁護士の最大の強みです。

相続が発生した時点では表面化していなくても、手続きを進める中で意見の対立が生じることは珍しくありません。初期段階から弁護士が関与することで、そうした対立を未然に防ぎ、あるいは早期に解決へ導くことができます。

当事務所の強み

虎ノ門法律経済事務所上野支店では、経験豊富な弁護士が、相続手続きの全体を見渡しながら、登記から相続税対策、遺産分割協議まで、伴走型のサポートを提供しています。

弁護士・税理士のダブルライセンス資格者が在籍しているため、法務と税務の両面から最適な解決策を提案できます。また、司法書士や税理士との連携体制も整っており、複雑なケースでもワンストップで対応可能です。

相続登記だけでなく、将来的なトラブルの可能性まで見据えた総合的なサポートを受けたい方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

迷ったときの専門家選びのコツ

相続の相談先を選ぶ際、判断基準となるのは

  1. 争いの有無
  2. 登記の必要性
  3. 税務の有無

の3つです。それぞれの状況に応じて、最適な専門家を選びましょう。

1. 争いの有無で判断する

相続人間で意見の対立がある、あるいは対立する可能性がある場合は、迷わず弁護士に相談してください。話し合いが難航してから弁護士に依頼し直すよりも、初期段階から弁護士が関与する方が、円滑に協議を進めることができます。

逆に、相続人全員の合意が既に得られており、単に書類を作成してもらいたいだけという場合は、司法書士や行政書士への依頼も選択肢となります。

2. 登記の必要性で判断する

不動産がある場合は相続登記が必要となるため、司法書士への依頼が基本です。ただし、前述のとおり、相続人間で調整が必要な場合は弁護士への依頼が適しています。

不動産がなく、預貯金や有価証券のみの相続であれば、登記は不要です。この場合、協議が必要であれば弁護士、税務申告が必要であれば税理士への相談が中心となります。

3. 税務の有無で判断する

遺産総額が基礎控除額を超える場合や、特例適用の可否を判断する必要がある場合は、税理士への相談が必須です。相続税の申告漏れや誤りは、後に税務調査の対象となるリスクがあるため、専門家のサポートを受けることが重要です。

迷ったら「士業が連携している事務所」を選ぶのがベスト

相続は、法務・登記・税務が複雑に絡み合う手続きです。一つの専門家だけで完結しないケースが多いため、迷った場合は、複数の士業が連携している事務所を選びましょう。途中で専門家を変更する手間やコストを省けます。

虎ノ門法律経済事務所上野支店は、弁護士・税理士のダブルライセンス資格者が在籍し、司法書士とも連携しているため、相続手続きを安心して進められます。初回相談で全体の流れを把握し、必要な手続きを一括して任せることができます。

詳しくは、関連記事「相続でお悩みの方は迷わず当事務所へ相談してほしい、その理由」もご参照ください。

相続のことは虎ノ門法律経済事務所 上野支店へご相談ください

相続では、「どの専門家に相談するべきか」を正しく判断することが手続きをスムーズに進める上でとても大切です。

  • 登記中心の手続きは司法書士
  • 税務が関わる場合は税理士
  • 紛争防止や交渉が必要な場合は弁護士

というように、状況によって相談すべき専門家が変わります。

ただし、相続では手続きを進める途中で意見の対立が生じたり、税務や登記との兼ね合いが必要になったりすることも少なくありません。そのため、初期段階から弁護士や税理士に相談することで、無用なトラブルや二度手間を防ぎ、手続きを効率的に進めることができます。

特に、

  • 相続財産の内容が複雑な場合
  • 相続人が多い場合
  • 過去に家族間でトラブルがあった場合

などは、早めの相談がおすすめです。また、2024年4月から相続登記が義務化されたことで、期限管理の重要性も増しています。

虎ノ門法律経済事務所上野支店では、法務・税務の両面から相続をワンストップで支援しています。弁護士・税理士のダブルライセンス資格者が、相続登記から遺産分割協議、相続税申告まで、一貫してサポートいたします。

相続でお悩みの方、どこに相談すべきか迷っている方は、まずは当事務所にご相談ください。初回相談で、あなたのケースに最適な解決方法をご提案いたします。

関連記事

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次