贈与税の基礎知識

目次

はじめに

贈与税は、資産承継を考える際に、必ず関わることとなる税金の一つです。それゆえ、その基本的な知識を持つことは、節税策を計画する上で非常に有益です。本記事では、細かな説明を一切省き、制度の概要とポイントをリストアップしました。贈与税の原則となる暦年贈与、選択できる相続時精算課税、節税のための特別な非課税制度の3本柱をまとめています。贈与税に関する大まかなイメージを持つことにお役立て頂ければ嬉しいです。

1.暦年贈与

基本的性格

贈与税における原則的制度

課税対象(課税標準)

1年間に贈与を受けた額

税率

累進課税
速算表を参照
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

基礎控除:年間110万円

方式:申告納税方式。確定申告が必要。

2.相続時精算課税

どういう制度か

暦年贈与の例外の制度。
贈与を受けたとき、2,500万円まで贈与税の納税が不要になる。代わりに、贈与者が亡くなった時に相続税の課税対象となる。
相続時精算課税を選択して申告が必要。その後は暦年贈与は使えない。

メリット

多額の一括贈与をしても、多額の贈与税がかからず、相続時に相続税の課税のみ。

注意点

相続税は課税される。「節税」策ではない。
一度選択すると戻せない。
暦年贈与の基礎控除(年110万円)は使えなくなる。

方式:申告納税方式。贈与を受けた翌年に確定申告が必要。

3.特別な非課税制度 5つ

1.夫婦の間で居住用不動産を贈与したときの配偶者控除

通称「おしどり贈与」
20年以上連れ添ってきた夫婦間
配偶者から住宅や住宅を買うための資金を受け取っても最大2000万円が非課税

2.住宅取得等資金贈与

親や祖父母からマイホームの購入やリフォームのための資金を贈与されたとき、最大で1000万円が非課税になる制度。
受贈者の年齢や所得額、購入する物件が一定の要件を満たす等の要件がある。

3.教育資金贈与

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/01.htm

30歳未満の子や孫が親や祖父母から教育資金を一括で受け取っても、1500万円までは贈与税が非課税になる制度
教育資金口座の開設等が必要
時限立法のため、期限に注意。(度々法改正で延期されてきてはいる)

4.結婚・子育て資金贈与

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku-zoyo/201304/01.htm

親や祖父母から援助を受け、結婚式費用や妊娠費用・子どもの保育料に充てれば、1000万円まで贈与税が非課税になる。
結婚・子育て資金口座の開設等が必要
時限立法のため、期限に注意。(度々法改正で延期されてきてはいる)

5.特定障害者の贈与税

特定贈与信託を組成
受け取り手が特別障害者…年間6000万円までが非課税
受け取り手が特別障害者以外…年間3000万円までが非課税

対象
特別障害者:身体障害者手帳が1級・2級など
その他の障害者:中程度の知的障害者、2級・3級の精神障害者

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