「遺産分割の話し合いがなかなかまとまらず、この先どうすればいいのか分からない」
「相続人同士で意見が食い違い、話し合いを続けること自体がつらい」
そんな状況で困っていませんか?
遺産分割はお金の問題であると同時に、相続人同士の感情や過去の経緯も絡んでくるため、当事者だけで冷静に話を進めようとしても、途中で行き詰まってしまうことが少なくありません。こうなると気になってくるのが、弁護士に頼むべきかどうか、依頼した場合の費用はどれくらいか、そして良い弁護士をどう見分ければよいか、という点だと思います。
この記事では、次のことを税理士資格を持つ弁護士の視点でお伝えします。
- 弁護士に相談・依頼するメリット
- 向いているケース
- 費用の目安
- 良い弁護士の選び方
- 気をつけたいNG行動
- 話し合いがまとまらないときの手続きの流れ
今の状況を整理する材料として、参考にしていただければと思います。
遺産分割で弁護士に相談・依頼する5つのメリット
遺産分割を弁護士に依頼すると、当事者だけで進めるのとは違ったメリットがいくつも出てきます。
- 相続人同士の交渉ストレスから解放される
弁護士が窓口になって交渉してくれるため、直接顔を合わせて言い争う精神的な負担を減らせます。
- 法律の知識をもとに、公平で合理的な解決を図れる
民法で定められた相続分の考え方はもちろん、生前に受けた贈与(特別受益)や介護などの貢献(寄与分)といった、専門知識がないと判断しづらい要素も踏まえた主張ができます。
- 当事者だけでは合意できなかったことも、調停・審判を経て解決に導ける
話し合いが決裂しても、調停や審判といった次の手続きを見据えた対応ができます。
- 不動産や非上場株式など、評価や分割方法が難しい財産もアドバイスを得られる
- 財産をそのまま分ける「現物分割」、誰か一人が引き継いで他の相続人に代償金を支払う「代償分割」、売却して現金を分ける「換価分割」など、財産の性質に合った方法を選ぶには専門知識が欠かせません。
- 裁判所の手続きも、弁護士がいればスムーズかつ迅速に進められる
書類の作成や主張の準備を任せられるので、時間や労力の負担を抑えられます。
相続に関する専門家には司法書士や行政書士もいますが、基本的に、すでに合意できた内容を書類にする専門家です。相続人同士の意見が対立している場面で、代理人として交渉に入れるのは弁護士だけです。誰に相談すればよいか迷ったときは、この違いを一つの目安にしてみてください。
「相続人同士で顔を合わせるのがつらい」「何をどう主張すればよいかわからない」という方にとって、専門家を間に挟むことは精神面・時間面の両方で大きな支えになります。ここからは、実際にどんなケースで弁護士への相談を検討すべきか、具体的に見ていきましょう。
遺産分割を弁護士に相談すべきタイミング・ケース
遺産分割のすべてのケースで弁護士が必須というわけではありません。ただ、状況によっては、弁護士に相談することで時間や労力、精神的な負担を大きく減らせます。
次のいずれかに当てはまる場合は、話し合いが本格的にこじれてしまう前に、早めの相談を検討してみてください。
相続人同士で意見が対立している・話し合いに応じない相続人がいる
一度こじれた話し合いは感情的になりやすく、当事者同士だけではなかなか前に進みません。第三者である弁護士が間に入ることで、冷静に交渉を進められるようになります。

不動産や非上場株式など、分け方や評価が難しい財産がある
現金と違って単純には分けられない財産は、評価の仕方や分け方の判断に専門知識が必要です。先ほど紹介した「現物分割」「代償分割」「換価分割」のうち、財産の性質に応じてどれが向いているかを見極めなければなりません。
分割方法ごとの違いをイメージしやすいように、具体例をまとめました。
| 分割方法 | 内容 | 具体例 |
| 現物分割 | 財産をそのままの形で分ける | 実家は長男、預貯金は次男のように分ける |
| 代償分割 | 一人が財産を取得し、他の相続人に代償金を支払う | 実家を長男が引き継ぐ代わりに、次男に自分の財産から現金を支払う |
| 換価分割 | 財産を売却し、現金にしてから分ける | 実家を売却して、経費を引いた現金をみんなで分ける |
相続人に認知症・行方不明・非協力的な人がいる、または調停・審判に進みそうな場合
相続人の中に認知症などで判断能力が十分でない方がいれば「成年後見人」の選任、行方不明の方がいれば「不在者財産管理人」の選任など、状況に応じた法的手続きが必要になる場合があります。
こうした手続きを踏まずに進めた遺産分割協議は無効になってしまうので注意してください。家庭裁判所での調停・審判が視野に入ってくる段階でも、法的知識が求められる場面は増えていきます。
対立は大きくなくても、手続きが複雑・多忙で手が回らない場合
相続人同士に大きな対立がなくても、必要な手続きが多く、平日に時間を取るのが難しいという方も少なくありません。そうした場合は、専門知識が必要な手続き全般を任せられる「意見調整型」の遺産分割・相続手続の代行を利用する方法もあります。

遺産分割を弁護士に依頼した場合の費用はいくら?
弁護士費用は、主に次の5種類で構成されます。
- 相談料
- 着手金
- 報酬金
- 実費
- 日当
費用は基本的に依頼した本人(相続人)が負担するもので、相手方に請求できるものではありません。着手金・報酬金の金額は遺産額や事案の複雑さによって変わり、事務所ごとにも差があるので、依頼前に複数の事務所で見積りを比べてみるとよいでしょう。
弁護士費用が心配で相談をためらっている方も多いのですが、多くの事務所では初回相談を無料としていますし、着手金・報酬金についても依頼前の段階で見積りを出してもらえます。実際に依頼するかどうかは、見積りの内容を見てから判断しても遅くはありません。
当事務所でも初回相談は無料で承っており、着手金・報酬金は遺産額に応じて設定しています。具体的な相場や内訳、支払いが難しいときの対処法は、以下の記事でくわしく解説していますので、あわせてご覧ください。

依頼する弁護士を選ぶときに気をつけたい3つのポイント
弁護士であれば誰に頼んでも同じ結果になる、というわけではありません。相性の悪い弁護士に依頼してしまうと、話が思うように進まなかったり、費用面で不満が残ったりすることもあります。
初回相談では、以下の3点を確認し、できれば複数の事務所を比較してみてください。
- 実績
- 費用説明のわかりやすさ
- 対応の丁寧さ
遺産分割・相続の実績が少ない、専門外の事務所は避ける
相談する前に、その事務所が遺産分割・相続分野でどれくらいの解決実績・取扱件数を持っているか確認しておきましょう。
相続案件に力を入れている事務所の方が、細部に行き届いた対応を得られやすい傾向にあると感じます。
費用の説明が曖昧、「着手金無料」などの謳い文句だけで判断しない
着手金だけを見て安いと判断せず、報酬金まで含めた総額の見積りを事前に確認しておきましょう。トータルでいくらかかるのかをきちんと示してくれるかどうかは、信頼できる事務所を見極める一つの目安になります。
説明が一方的で、依頼者の話をよく聞いてくれない
初回相談で、こちらの状況や希望をきちんと聞いたうえでわかりやすく説明してくれるかどうかも、比較すべきポイントの一つです。一方的に話を進める事務所より、丁寧にヒアリングしてくれる事務所の方が、長期にわたる手続きも安心して任せられるはずです。
一番重要なのは「相性」ではないかと感じます。相性の良い人を探すのは難しいですが、少なくとも、相性が悪い・合わないと感じた弁護士には依頼しない方が良いです。
遺産分割協議で避けたい3つのNG行動
遺産分割協議を進めるうえで、次のような行動は後のトラブルにつながりやすいので気をつけてください。
それぞれの行動とリスクを整理すると、次のようになります。
| NG行動 | 起こりうるリスク |
| 感情的な対立のまま話し合いを進める | 話し合いがさらにこじれ、その後の交渉・調停に持ち込む労力が大きくなる |
| 口頭の合意だけで済ませ、遺産分割協議書を作成しない | 「言った・言わない」のトラブルや、相続登記・預金解約の手続きが進められなくなる |
| 一部の相続人を除外して協議を進める | 協議自体が無効になり、最初からやり直しが必要になる |
感情的な対立のまま話し合いを進めてしまう
一度感情的になってしまうと、話し合いはさらにこじれやすくなります。こじれればこじれるほど、その後の交渉や調停に持ち込む労力も増えてしまいます。
口頭の合意だけで済ませ、遺産分割協議書を作成しない
合意した内容を書面に残しておかないと、後になって「言った・言わない」のトラブルになったり、相続登記や預金の解約手続きが進められなくなったりすることがあります。
合意した内容は、必ず遺産分割協議書として残しておきましょう。
一部の相続人を除外して協議を進めてしまう
相続人全員の合意がない遺産分割協議は無効になります。「疎遠だから」「連絡先がわからないから」といった理由で一部の相続人を除いたまま話を進めてしまうと、協議自体をやり直すことになりかねません。
協議を始める前に、戸籍を調査するなどして相続人を正確に把握しておくことが欠かせません。

遺産分割の話し合いがまとまらないときの流れ(交渉→調停→審判)
相続人同士の話し合いがまとまらない場合、遺産分割は、交渉→調停→審判の段階を踏んで進んでいきます。
段階ごとに必要な対応や心構えは異なり、どの時点から弁護士に関わってもらうかで、解決までの負担も変わってきます。ここでは、各段階の流れと弁護士が関わるメリットを見ていきましょう。
| 段階 | 内容 | 弁護士が関わるポイント |
| ①交渉 | 相続人全員による話し合い(遺産分割協議) | 代理人として交渉に立ち会い、感情的な対立を避けやすくする |
| ②調停 | 家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う | 法的根拠に基づいた主張を整理し、合意形成をサポートする |
| ③審判 | 裁判官が分割方法を決定する | 主張・証拠の準備を通じて、結果に影響する部分をサポートする |
まずは相続人同士の話し合い(交渉)
遺産分割は、まず相続人全員による話し合い(遺産分割協議)から始まります。弁護士が代理人として交渉の場に立ち会うことで、感情的な対立を避けやすくなります。
まとまらない場合は家庭裁判所の遺産分割調停へ
話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。裁判所が選任する調停委員(第三者)を交えて、相続人それぞれの意見を交互に聴きながら、合意を目指して話し合いを進めていく形です。
調停でも合意できない場合は審判へ移行
調停でも合意できなければ審判に移り、最終的に裁判官が分割方法を決定します。ここでは、主張や証拠の準備の質が結果を大きく左右します。

虎ノ門法律経済事務所 上野支店に相談するメリット
虎ノ門法律経済事務所 上野支店では、次のような体制で遺産分割のご相談・ご依頼をお受けしています。
- 担当弁護士は税理士資格も保有しており、遺産分割から相続税申告まで、ワンストップで対応が可能です。
- 遺産相続に関するご相談実績が豊富にあります。
- 料金は明確に見積りを提示し、透明性を重視しています。初回のご相談は無料です。
弁護士と税理士、それぞれ別の専門家に依頼すると、連携の手間や情報の行き違いが生じやすくなります。当事務所であれば、遺産分割の交渉から相続税の申告まで、窓口を一本化してご相談いただけます。
「弁護士と税理士のどちらに先に相談すればいいのかわからない」という方も、まずは一度ご相談いただければ、状況に応じた進め方をご提案します。

よくある質問
Q1. 遺産分割の弁護士費用はいくらくらいですか?
相談料・着手金・報酬金・実費・日当などで構成され、遺産額や事案の複雑さによって金額は変わります。当事務所は初回相談無料で、着手金・報酬金は遺産額に応じて設定しています。くわしい相場は、費用についての記事で解説していますので、そちらもご覧ください。

Q2. やめた方がいい弁護士の特徴は?
遺産分割・相続の実績が少ない事務所、費用の説明が曖昧な事務所、説明が一方的で話をよく聞いてくれない事務所には注意してください。
初回相談の対応や見積りの明確さを見ながら、複数の事務所を比較したうえで依頼先を決めるとよいでしょう。
また、相性も大切です。合わないなと思う人には頼まないのが吉です。
Q3. 遺産分割でやってはいけないことは何ですか?
感情的な対立のまま話し合いを進めること、口頭の合意だけで済ませること、一部の相続人を除外して協議を進めることは避けてください。
後々のトラブルや、協議自体が無効になるリスクにつながります。
まとめ
遺産分割は、当事者同士だけでは解決が難しいケースが少なくありません。相続人同士の対立、評価が難しい財産、複雑な手続きなど悩みの種類は人それぞれですが、早い段階で弁護士に相談しておけば、解決の選択肢は確実に広がります。
費用や弁護士の選び方に不安があっても、まずは無料相談でご自身の状況を話していただくことが第一歩です。話すだけでも状況が整理され、次に何をすべきかが見えてくることも少なくありません。虎ノ門法律経済事務所上野支店では初回相談を無料でお受けしていますので、遺産分割でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
お問い合わせ
当日または翌日のご相談を希望される場合は、
お電話にてお問い合わせ頂いた方が確実です。
ご相談予約専用
受付:平日 9:30 – 19:00/土曜 11:00 – 14:00
初めてご相談される場合、費用は無料です。
じっくりお話を伺ったうえで、ご質問・ご疑問にお答えし、解決方法・手続の流れについて、丁寧にご説明いたします。お気軽にお越しいただき、率直にお話しください。依頼した場合の費用も、明確に見積り、ご案内します。
その場で依頼する必要はありません。一度お持ち帰り頂いて、じっくりご検討ください。

