相続とは、法律的に、簡単にいえば、亡くなった方の財産(権利義務)を、誰かが引き継ぐことです。
引き継ぎ方の決め方には2つしかありません。遺言と遺産分割です。亡くなった方が決めていた場合を遺言、ご遺族が決める場合を遺産分割としています。 いずれでも、①対象財産=亡くなった方の財産=遺産が何か、と、②引き継ぐ方=相続人/受遺者が誰かが、最も基本的な要素となります。
注意したいのは、遺産分割には、構造的に紛争が潜在していることです。というのも、相続人らが、遺産という限られたパイを分け合うという構造を有するからです。「自分の得は他人の損、他人の得は自分の損」というなかでは、相続人間のちょっとしたズレが紛争の原因になってしまうのです。
ここでは、「争族」などと呼ばれる相続紛争を予防するにはどうすればよいか、紛争化してしまったらどうやって法的に解決していくのか、お話していきます。
その前に、相続紛争の類型を整理するところから始めましょう。
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