【解決事例:不動産】借地権及びその上にある共有名義の建物を事前の見通しの範囲内の金額で買取り、和解成立から1年の猶予内に退去する旨で解決に至った事例

不動産の共有物分割に関する解決事例の紹介です。

目次

【依頼内容】

 ご依頼人Xさんのご実家の土地を購入したが、借地権とその上にある相手方Yさんとの共有名義の建物(1階にXさん、2階にYさんが居住することを合意している)について、以下の不安があった。
 ①Yさんは建物の買取りを了承しているが、金額が不当に高くならないか。
 ②買取った後も使用賃借契約を定めた調停証書がある為、Yさんが居住し続けられてしまうのではないか。
 ③Yさんとの関係が非常に悪化している状態で、うまく話合いが進められるのか。

【経過と結果】

買取価格に関して:
 適正な価格については、不動産業者の意見などを双方提出し、互いの平均額を取ることで合意。

居住の実態に関して:
 Xさんは建物を実際に使用しており、建物に関する税金等の支払をしている事から必要性は高いことは明らか。
 Yさんは郵便物を確認する程度で居住はしていないとの事。
 それを証明するために内容証明を送付したところ、郵便物が他県に転送されている事がわかった。Yさんの生活の拠点は他県にあり建物を使用する必要性がない。

【コメント】

 共有物分割は、必ず解決策があります。
 今回は、Xさんが居住していてYさんが居住していないことから、Xさんが建物の価格を支払いできることが証明できれば買取が可能になるケースでした。
 問題は、Yさんの使用貸借を認めた調停調書の存在でしたが、居住していない事実を立証できたため、使用貸借権が活きず、共有物分割のみで争うことが出来ました。
 最終的には、当初の見通しの範囲内の買取額で和解ができ、新型コロナの影響があったにも関わらず、1年ほどで解決に至ることができました。

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