さて、今回は、紛争化してしまった遺産分割をする際に参考になる作法をご紹介します。東京家庭裁判所の提唱する段階的進行モデルです。 これは遺産分割の実務に携わるものの基本であり、遺産分割に臨む相続人の方々にも有益なフレームワークです(というと少し大袈裟でしょうか)。
 遺産分割は、法的に整理するだけでは必ずしも妥当な解決に至るわけではなく、相続人らで協議することにより、より善い解決に至ることができることがある、そう現在の日本法は考えています。 そうはいうものの、調停に至るケースの場合、なんの前提もなく議論を交わすのは、感情的な対立をますます厳しいものにする(互いの悪口の応酬になる)等、有害なことが多いです。 そのため、遺産分割調停において、いつ(どの段階で)、何を議論すべきかを整理したのが、段階的進行モデルです。 これを頭にいれておくと、調停ではない協議においても、議論をどう整理していけばよいか、クリアにすることができるので、大変有益です。

 能書きはこの辺にして、中身に入りましょう。 中身は至ってシンプルです。 段階的進行モデルでは、次の順序で調停を進めていくことが好ましいとされます。

  • ①相続人の確認
  • ②遺産の範囲の確認
  • ③遺産の評価額の確認
  • ④特別受益、寄与分の確認
  • ⑤分割方法

 どう分けるかを考える前に、4つのポイントを整理する必要がある、というのが要点です。 また、専門家でない方には、遺産の「範囲」と「評価」が別の問題であることも、ぜひ押さえておいてください。 これが頭にいれてあるだけで、協議の内容がだいぶ整理されてきます。ぜひ覚えておいてください。 続いては、この5つのポイントそれぞれについて見ていこうと思います。


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