共有物分割に関する解決事例の紹介です。
目次
【依頼内容】
依頼人Xさんは、数年前に夫のYさんと離婚をしました。その際、夫婦共有名義の自宅戸建は、事情があり、名義も住宅ローン(ペアローン)も残したまま、離婚をしました。
離婚から年数も経ち、Xさんは、過去とYさんとの関係を清算するため、この不動産の共有関係の解消を求めましたが、Yさんは様々な言い分を主張して話し合いにならなかったため、当事務所へ相談に来所されました。
【経過と結果】
Xさんからご依頼いただき、Yさんとの協議は困難であることが予想されたため、速やかに調停を申し立てました。
調停では、Yさんも法的に明らかに理由のない主張はせず、YさんがXさんの共有持分を買い取る方法(いわゆる全面的価額賠償)により、共有関係を解消することができました。Xさんは適切な価額での賠償金を得ることができました。
調停条項を工夫したことで、住宅ローンの清算も行え、無事、Xさんは、Yさんとの関係を完全に解消することができました。
【コメント】
共有関係は、よほど特殊なケースでない限り、解消することが可能です。そのため、協議での解決が難しい場合は、早めに調停や訴訟を申し立てることが肝要です。
本件でも、調停移行後は、スムーズに事を運ぶことができ、コロナ禍の影響による中断を挟みながらも、受任から1年ほどで解決に至ることができました。