テレワーク・在宅勤務の留意点と対処法 第1回

2021年1月15日更新

 新型コロナウイルスへの感染の懸念から、テレワークや在宅勤務の導入を行った/行おうとし
ている企業も少なくありません。当事務所にも同様の相談が寄せられています。
 あらためて、テレワーク・在宅勤務の留意点と、具体的な対処方法について、検討し、まとめ
てみました。ご関心のある企業・担当者の方のお役に立てれば幸いです。

第1総論

1.テレワークの定義

テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き
方」の事です。
(厚生労働省「テレワークとは」参照:https://telework.mhlw.go.jp/telework/about/

2.テレワークの就労形態

テレワークには、いくつかの就労形態があります。

  • ①在宅勤務:所属するオフィスに出勤しないで、従業員の自宅を就労場所とする形態です。
  • ②モバイルワーク:ノートPCや携帯電話等を用いて、移動中やカフェなど臨機応変に選択した
    場所で業務を行う形態です。
  • ③サテライトオフィス勤務:所属するメインのオフィス以外に設けられたオフィスや、遠隔勤
    務用の施設を就労場所とする形態です。

3.就業規則に定めるべき事項

通常勤務とテレワーク勤務において、労働時間制度やその他の労働条件が同じである場合は、
就業規則を変更しなくても、既存の就業規則のままでテレワーク勤務ができます。
しかし、通常勤務では生じないことがテレワーク勤務に限って生じる場合があるとき等は就業
規則の変更が必要となります。
(厚生労働省『テレワークモデル就業規則』p.3:https://www.tw-sodan.jp/dl_pdf/16.pdf

◆テレワークを行う際の就業規則に必ず記載しなければならない項目必要的記載事項)は以下
の①~③です。(労基法89条1号ないし3号)

  • ①始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事
  • ②賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事
  • ③退職に関する事(解雇の事由を含む。)

◆テレワークを行う際の就業規則に記載の必要がある項目任意的記載事項)は以下の①~⑧で
す。(労基法89条3号の2ないし10号)

  • ①退職手当に関する事
  • ②手当・賞与・最低賃金金額について定める場合には、これに関する事
  • ③食費・作業用品等を負担させる場合には、これに関する事
  • ④安全・衛生に関して定める場合には、これに関する事
  • ⑤職業訓練に関して定める場合には、これに関する事
  • ⑥災害補償・業務外の傷病扶助について定める場合には、これに関する事
  • ⑦表彰・制裁について定める場合には、これに関する事
  • ⑧上記のほか、当該事業場の全労働者に適用される事項について定める場合にはこれに関する

※就業場所は必要記載事項ではないので、労働時間等の変更がなければ、就業規則を変更する必要
はありません。

 いずれも通常の就業規則と同様の規制になりますが、就業規則を設計する際には、漏れがない
ように留意してください。
 特に、自前でパソコンを用意させる場合や、自宅のインターネット回線の費用負担などは、任
意的記載事項③「作業用品等を負担させる場合」に該当する可能性がありますので、明記した
方がよいでしょう。

【解決事例:遺産分割】遺産分割調停にて、相手方に特別受益を認めさせ、それを前提に換価分割を行い、円満解決に至った事例

2021年1月10日更新

【依頼内容】
弟さんとの遺産分割協議が暗礁に乗り上げてしまった。

 
被相続人は遠方に住んでおり、土地と居住用建物、賃貸用建物(併せて8000万)を有していた。(その他に預金と生命保険が少々あった。)自分で取引履歴を取り寄せたところ、弟には被相続人からの3000万円の生前贈与があることがわかった。
そのため、自分が不動産を取得しようと思ったのだが、弟はあくまで法定相続分での分割、なおかつ代償金を払ってでも不動産を取得したいという。これ以上話しても埒が明かないので、ご相談に来ていただいた。

【解決方法】
すぐさま遺産分割調停を申し立てた。分割方法については、打ち合わせを重ねてご自身の要望を整理し、換価分割(不動産を売却して、売却益を分ける方法)とすることを提案。

 
弟さんも、調停委員を通じて、特別受益の証拠を示し、その法的な意味を説明してもらったところ、それを認め、換価分割にも応じることになった。
売却にあたっては、ご依頼者様に様々に動いて頂き、またタイミングもよく、相応の値段で売却することができた。
売却代金等の管理は私が行い、合意しておいた計算式に基づいて分配し(この設例ではご依頼者様:5500万円、弟さん:2500万円)、最後の期日で遺産分割が完了したことを確認して、無事終了した。
兄弟で協力して換価が出来たことで、互いへの不信感も拭え、仲も改善し、縁を切るようなことにはならなかった。

【解決事例:不動産】借地権及びその上にある共有名義の建物を事前の見通しの範囲内の金額で買取り、和解成立から1年の猶予内に退去する旨で解決に至った事例

更新

 不動産の共有物分割に関する解決事例の紹介です。

【依頼内容】
 ご依頼人Xさんのご実家の土地を購入したが、借地権とその上にある相手方Yさんとの共有名義の建物(1階にXさん、2階にYさんが居住することを合意している)について、以下の不安があった。
 ①Yさんは建物の買取りを了承しているが、金額が不当に高くならないか。
 ②買取った後も使用賃借契約を定めた調停証書がある為、Yさんが居住し続けられてしまうのではないか。
 ③Yさんとの関係が非常に悪化している状態で、うまく話合いが進められるのか。

【経過と結果】
買取価格に関して:
 適正な価格については、不動産業者の意見などを双方提出し、互いの平均額を取ることで合意。

居住の実態に関して:
 Xさんは建物を実際に使用しており、建物に関する税金等の支払をしている事から必要性は高いことは明らか。
 Yさんは郵便物を確認する程度で居住はしていないとの事。
 それを証明するために内容証明を送付したところ、郵便物が他県に転送されている事がわかった。Yさんの生活の拠点は他県にあり建物を使用する必要性がない。

【コメント】
 共有物分割は、必ず解決策があります。
 今回は、Xさんが居住していてYさんが居住していないことから、Xさんが建物の価格を支払いできることが証明できれば買取が可能になるケースでした。
 問題は、Yさんの使用貸借を認めた調停調書の存在でしたが、居住していない事実を立証できたため、使用貸借権が活きず、共有物分割のみで争うことが出来ました。
 最終的には、当初の見通しの範囲内の買取額で和解ができ、新型コロナの影響があったにも関わらず、1年ほどで解決に至ることができました。

【解決事例:離婚】依頼から1ヶ月で、財産分与・養育費・扶養料を得る内容の離婚が成立し、解決に至った事例

更新

離婚案件の解決事例のご紹介です。

【依頼内容】
 依頼者のXさんは、夫Yが子を残したまま家出をしていまい、一方的に離婚を求められました。
 Xさんは、当事者同士での話し合いは難しいと考えました。
 Xさんとしては、①離婚はやむを得ないが、②法律上認められる範囲で財産分与と養育費の獲得を第一にしつつ、③なるべく早期の解決をご希望されていました。

【経過と結果】
3月:相手方との交渉
 弁護士が夫Yと面談して、夫Yの考えをヒアリングしました。
 夫Yも早期の解決を希望している節があったため、婚姻費用は離婚が成立するときまで支払う必要があること、離婚に際して一般的に決定すべき事項、もし話し合いがまとまらなかったときの流れなどを説明し、早期解決への理解を得られるよう努めました。
 そのうえで、早期解決に必要なものとして、Xさんの満足する金銭面の条件(①相当額の財産分与、②相当額の養育費、③Xさんが就職できるまでの間の扶養料)を提示し、夫Yから同意を得ることに成功しました。

4月:離婚協議書作成
 合意した内容で離婚協議書を作成し、夫Yから、実際に支払いが開始されました。

5月:公正証書作成
 養育費未払いに備えて、公正証書を作成しました。

【コメント】
 夫Yを説得し、法律上相当額の財産分与・十分な養育費に加えて扶養料を獲得しつつ、早期の解決を実現することができ、Xさんにもご満足頂くことができました。

年頭のご挨拶

2021年1月6日更新

 2021年、あけましておめでとうございます。上野支店代表の弁護士の日向寺です。

 昨年は「コロナ禍」の1年でした。

 当事務所でも、事務所内での感染防止策を徹底する、緊急事態宣言が発令された際には従業員の健康に配慮して休業を実施する、といった対応を行いました。当然ながら、クライアント企業に応じた「コロナ対応」の助言等も行いました。
 クライアントへの影響は甚大でしたが、それでも多くの支えを頂き、法律事務所の事業は継続してこれました。本当に、ありがとうございます。感謝に堪えません。

 コロナの影響をきっかけにしたわけではありませんが、継続的に進めている弁護士業務のデジタル化を一層進み、4月に著名なクラウドCRMシステム「Salesforce」を(今年2月からはそれをベースに法律事務所向けに開発された「LEALA」を導入予定)、11月に法務向けのAI搭載クラウドエディタ「Lawgue」を導入しました。
 所内での情報共有の改善と、契約書の作成業務における質・速度の向上を図ることで、これまでより速く・効率的に・高品質の業務を行えるようになりつつあります。
 また、11月に、スタッフを1名増員でき、弁護士・パラリーガル・事務職員の3名体制となりました。
 より多くの依頼者様に、コミュニケーションの質・量を伴った高品質なリーガルサービスを提供できる体制に、徐々になってきたのではないかと感じております。

 個人的には、4月に税理士登録をし、6月に上場を目指す会社(㈱Blue Planet Works)の社外取締役に選任して頂きました。税務や監査も視野に入れた企業法務の「腕」を、これからも磨いていきたいと考えております。
 また、そういったなかで培ったものを、ソーシャルセクターの支援にも還元して活かしていきたいと考えております。

 本年も、依頼者第一をモットーに、邁進していく所存です。
 本日より営業をいたしますので、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ご予約はお電話でもメールでもお受けしております。